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【内科】糖尿病はなぜ治療が必要?~静かに進行する合併症の恐ろしさ~
皆さま、こんにちは。
相模原市南区南台の内科・消化器内科「しのき医院」です。
40代以降になると糖尿病が気になってきます。
厚生労働省の令和元年の調査では「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性で19.7%、女性で10.8%、年齢別にみると男性は40代、女性は50代から増えています。
(出典:厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査結果概要」より)
「とくに気になる症状もないし関係ないか。」と思われる方もいるかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。
糖尿病は初期には気がつかないことも多いのです。
今回は、 進行すると重篤になりかねない病気「糖尿病」についてお話しします(※今回は2型糖尿病についてお話しています)。
2型糖尿病はおもにインスリン(膵臓から分泌されるホルモン)の不足や、その働きが悪くなることによっておこります。
糖とインスリンの働きの流れを簡単に説明すると、
「食事をする」→「血液のなかに糖が取り込まれる」→「インスリンの助けを借り、糖が細胞に取り込まれる」→「エネルギーとなり活動できる」
となります。
そのため、インスリンが不足すると血液中の糖は細胞に取り込まれず、いつまでも血液の中にとどまります。
その結果、 血液の中に糖が増えすぎてしまうのです。
この状態を血糖値が高いといい、これが糖尿病という病気です。
つまり、糖尿病は 血糖値が高いため、血管の状態が悪くなることでおこる病気です。
糖尿病は初期には自覚症状が少なく、糖尿病である事に気が付かずに過ごしてしまいがちです。
高血糖の状態を放置するとなぜいけないのでしょうか。
それは、 自覚症状が出るころには病気がすでに進行している場合もあるからです。
糖尿病の合併症は、血糖が高くなり末梢の細い血管に負担がかかることが原因でおこります。
進行すると 失明や手足の感覚がなくなるという重篤な症状を発症します。
これが糖尿病のこわいところなのです。
症状がなくても 定期的に健診を受けて自分の状態を知っておくことが大切ですね。
おもな合併症を説明します。
- 糖尿病神経障害:初期には足先のしびれやピリピリした痛みなどの症状がある。悪化すると潰瘍や壊疽(えそ)をおこし、足の切断が必要になることもある。
- 糖尿病網膜症:初期には自覚症状がないが、進行すると失明することもある。
- 糖尿病腎症:初期には自覚症状がないが進行するとむくみ、高血圧、食欲不振などがみられる。末期には人工透析が必要になる。
- 動脈硬化:動脈が硬くなって詰まりやすくなるため、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などをひきおこす。
合併症を発症しないためには 毎日の血糖コントロールがとても大切です。
自覚症状がなくても定期的に健康診断を受けましょう。
しのき医院では地域の皆様に寄り添う医療を心がけています。
気になる方はお気軽にご相談ください。